日ロの良好な協力関係は世界情勢に好影響を与える
安倍総理大臣とプーチン大統領との日ロ首脳会談が開催される。日ロ間の課題は、なんといっても、平和条約の締結と北方領土問題の平和的発展的展開であるが、経済分野や宇宙開発分野での協力関係も強化する必要があるだろう。ロシアは、国連の安保理常任理事国の一員であり、厳然として国際的な影響力を保っている点から考えても、経済分野で強い日本との協力関係の強化は、ロシアにとってもメリットがあるし、日本にとっても、ビジネスや世界平和の維持への積極的貢献という観点からメリットがあると考えられる。ロシアのプーチン大統領は、柔道有段者(黒帯)でもあり、日本に対する理解もある。日本にとっては、プーチン氏が大統領のうちに、日ロ間の大きな懸案事項を発展的に展開させることが必要であろうし、また、ロシアにとっても、日本が安倍政権のうちに話を進展させることが、両国の利益を最大化するチャンスであろう。日ロの協力関係強化の必要性は、私の当初から変わらない持論である。
朝鮮半島情勢の平和的発展的展開についての展望【NHKニュース7】
米朝首脳会談の開催に際して、北朝鮮側は本音ではトランプ大統領との会談の意思があるとみるのが自然だろう。北朝鮮側が南北首脳会談をはじめとする対話の雰囲気を自ら作ってきたのも事実であるし、それを反故にして再び緊張を高める行動に出ることは現実的には考えにくい。核実験場の閉鎖も行ったし、自身の立場が不利にならないように、メンツと立場を保ちたいというのが実際のところではないだろうか。金委員長自身は、国際情勢にも明るいとされ、国際社会における自身の立場を悪くするような愚を犯すような人ではないだろう。北朝鮮と韓国は、朝鮮半島や朝鮮民族の将来を考えたときに、どのような方向性を示すことが国民や民族の幸せにつながるか、現実路線で考察することが必要だろう。この思考方向性は必ずしも朝鮮半島だけには限らず、どの国家においても重要な視点であると思う。
米朝首脳会談の開催には何が必要か?
アメリカのトランプ大統領が、6月12日に開催予定だったシンガポールでの米朝首脳会談の中止を発表した。世界は、平和実現のために、この会談の開催に強く期待を寄せていたのだが、北朝鮮側の微妙な態度の変化が影響したようだ。先の朝鮮半島の南北首脳会談での南北融和ムードの高まりにより、朝鮮半島の平和的統一に向けて歩みを進めるのが何よりも重要なことであることは変わらない。また、アメリカ側にしても、完全に対話の姿勢を閉ざしたわけではなく、状況次第で米朝首脳会談開催への可能性もあるようだ。北朝鮮側は、国際協調への明確な姿勢をよりわかりやすい形で示す必要があるだろう。経済発展のためには、アジア近隣諸国との協力が不可欠であり、それはアメリカに限らず、ロシア・中国・韓国・日本などと連携して取り組んでいく必要があることは明らかだ。まずは、諸課題の解決の取っ掛かりとして、南北首脳会談に続く米朝首脳会談を成功させることが、日本との対話も実現する道になるだろう。分断された朝鮮民族の平和的統一へのカギは、北朝鮮が国際協調へ向けていかに積極的な姿勢を示すかにかかっているのである。